茶店妄想叙事詩

顔も知らない誰かの物語を執筆しています。

スタバもうそう叙事詩

2022-01-01から1年間の記事一覧

絡まった想いを

今日もまた一段と気温が高いではないか。このままでは、いつか人類は外に出られなくなると思いながら、私は自転車に跨っている。そうこう言いながらも、少し早く駅に着いてしまったようだ。次の電車が来るまで、まだ時間があったので、私は某コーヒーショッ…

街角のアリア

久々に1人でゆっくりと昼食が取れそうだ。しかも、いつもより時間に余裕がある。そう思い私は、少し離れたお店に行くことにした。薄暗い店内に木目調のアンティーク風のテーブルが並び、サラダにはクルトンが振りかけられ、カレーライスのお米が白くない、私…

限界を知る前に

帰宅ラッシュの雑踏が目立ち始めるこの時間、列車が線路を走る音や車のクラクション音、人々の談話と共に路上ライブのサックスが鳴り響いている。橙色に輝く夕日が一日の終わりを告げ、人混みで溢れている駅前で夢を追いかけるサックス奏者の男性。これが俗…

何処かにいる貴方へ(2)

このタイプライターのようなこの機械は一体何なのか。不思議そうな面持ちで彼女は、それを見つめていた。黒を基調としたアンティーク感が漂う代物で、埃を被っていているが、そこには麗しさをも感じることができる。これもまた、何か惹かれるものがあった。 …

何処かにいる貴方へ(1)

朝から雨が降っていたが、午後から人と会う予定があったので傘を取り出し、私は外へ出た。この傘も何年使っているかわからない。なんだか傘が疲労を訴えている気もする。そんな私も、この迷路のような街を歩いていると疲れを感じてしまう。いつまで経っても…

お好きな野菜は?

飲食店が立ち並ぶこの地下街は、お昼になると活気が溢れ、喧騒にまみれている。比較的、空いている店で昼食を終え、まだ少し時間があることを腕時計で確認をした。私は、食後の眠気覚ましにコーヒーを頂こうと思い、某コーヒーショップに寄った。少し列がで…

最新の美容科学にお任せください

会社帰りにコーヒーショップに立ち寄る。この時間は店内に賑わいもない。会話の弾んでいるいくつかのグループと、ただ目的無さそうに手元のスマホを触っている客がちらほらいる限りだ。僕もその1人かもしれない。強いて言えば疲れた体に甘いフラペチーノを流…

風に愛を乗せて

ベランダで煙草を吹かしながら黄昏れるには、やや肌寒く、少し風の強い夕暮れ。暖かくなってきたとはいえ、落日してしまえば、太陽も威厳がない。私は風から逃げるように某コーヒーショップへ入店した。 注文を終えて、空いている席を探していると、奥のテー…

美しく駆けてゆく君は

今日の帰り道はやけに人が少ない気がする。いつもは混み合っている歩道も、真っ直ぐ快適に歩けるではないか。そのことで、妙に感動してはいるのだが、結局、人が恋しくなって某コーヒーショップに寄ることにした。 注文を終えて、空いている席に私は座った。…

カクテルにまつわる

肩が凝る事務作業を終えた僕は帰路に着く。定時過ぎても白熱灯は煌々とフロアを照らしており、灯りを享受する人々からの恨めしそうな目線を背後に受けながら僕は会社を出た。向かう先はコーヒーショップ。甘いフラペチーノを飲みながら1日の疲れを癒すのが僕…

行き先は曖昧で

今日も、電車の中は満員だ。外は雨が降っていて、窓ガラスに打ち付ける水滴をぼんやりと眺めていた。いつもより湿度の高い車内からいち早く抜け出したい。そんなことを思った私は、途中の駅で下車して、某コーヒーショップに寄った。ひとしきりの注文を終え…

いちごは甘酸っぱい

寒さなどとっくに和らぎ、まだ5月半ばだというのに汗ばむ季節になってきた。去年の5月はこんなにも暑かっただろうか。過去の私に問う。 そんな帰り道、私は冷たいものが飲みたくなり、某コーヒーショップに寄った。ひとしきりの注文を終え、空いている席の椅…